ダブル分子トレーサによる心筋血流デジタルラジオグラフィの血液交叉灌流心への応用

概要

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我々が開発したダブル分子トレーサ・デジタルラジオグラフィは、タイロード潅流心の心筋潅流パターンを冠循環最小単位に相当する分解能(400μm)で検出可能であった。本稿では、ラット血液交叉潅流モデルを大正とした微小心筋潅流パターン解析における本法の妥当性を評価した。分子血流トレーサに使用されるトリチウムおよびヨード125標識のデスメチルイミプラミン(HDMI, IDMI)の心筋保持率は、心筋内投与1分後に97.1±3.2%、2分後に97.8±2.9%であった。また、HDMI、IDMIを同時投与した心筋において、各々のトレーサの心筋内分布を400μmの空間分解能で検出して両者を比較した結果、トレーサ分布パターンは非常に類似しており、相互相関は0.9前後の高値を示した。以上より、ダブル分子トレーサ・デジタルラジオグラフィが血液潅流心の微小循環血流解析においても有効な手段であることが示され、微小循環マイクロレオロジーに異常を来した病態心等への応用が期待できる。
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-07-07