放射空間における口唇開口部と鼻孔開口部との音響結合を考慮した鼻音生成に関する基礎的検討

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概要

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口唇から放射される音は、直ぐ近くにある鼻腔との音響結合により何らかの影響を受けるのではないかと考えられる。そこで、放射空間に口腔と鼻腔とをつけたモデルを生成し口唇から放射された音波が音響結合によりどのような影響を受けるのか簡単な音響管モデルを用いて有限要素法で計算を行った。まず、声道内で鼻腔と口腔が結合していないモデルと結合しているモデルでの計算を行なった。次に、放射空間の壁を剛壁にしたもので剛壁までの距離が5cmのものと2cmのもので計算を行なった。そして、鼻腔、口腔および放射空間の音響結合の影響について考察した。その結果、開いた放射空間では観測点が音源から十分(5cm)離れていれば音響特性に対してそれほど影響を与えないことがわかった。また、閉じた放射空間では多数の零極対が現われその原因が放射空間の影響によるものと鼻腔と口腔の音響結合の影響によるものとがあることがわかった。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-05-31

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