調和性複合音における完全5度および長3度成分の知覚に関して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
複合音中に存在する、オクターブ成分の担う役割について実験を行った。オクターブの音程関係にある音はトーンクロマが等しく、等価てあるとみなされている。今回、2つの実験を行った。実験内容は、様々な周波数成分構成を持つ調和性複合音(刺激音)の中の純音(参照音)を被験者か聞き出せるかどうかを評価することてあった。実験1では完全5度成分、長3度成分および基本波のオクターブ成分を参照音とし、完全5度成分または長3度成分のいずれかが欠如した調和性複合音を刺激音として用いた。実験2では参照音として完全5度成分および長3度成分を用い、刺激音として基本波のオクターブ成分が欠如した調和性複合音を用いた。これらの実験から得られた主な結果は次のようなものであった。1)基本波のオクターブ成分が他の成分をマスクしているような効果か見いだされた。2)基本波のオクターブ成分か存在していないときに高次の周波数成分かよく間き出せるという結果が得られた。これはlow pitchとの混同、あるいは複合音内の成分の相互作用によって生じる結合音の影響であると思われる。3)オクターブ上の成分があるとき、その成分が聞き出しやすくなるという結果が得られた。これはオクターブ成分どうしの差音が低い方の成分を強調するためと考えられる。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-05-30
著者
-
寺戸 敏彦
岐阜大学工学部
-
松浦 晃次
岐阜大学工学部
-
桑原 稔
岐阜大
-
桑原 稔
岐阜大工
-
桑原 稔
岐阜大学工学部
-
川村 昌史
岐阜大工
-
羽方 宏
岐阜大工
-
川村 昌史
岐阜大学工学部電子情報工学科
-
羽方 宏
岐阜大学工学部電子情報工学科
-
寺戸 敏彦[他]
岐阜大学大学院工学研究科
関連論文
- 調和性複合音におけるスペクトルの位相が与える時間波形と感覚量の推移について
- 周波数変調信号音の位相変化による音色とピッチの推移について
- 周波数変調信号音を構成するスペクトル構造に対応する時間波形と感覚量の関係について
- 周波数変調信号音のスペクトル構造より生ずる時間波形と感覚量の関係について
- 発光マーカを用いた寝床上の体動監視法
- 周波数変調音の位相変化における変調指数と知覚の関連について
- 三次元動作分析装置の試作と人体の荷重付加運動解析への応用
- 410 産業用ロボットを用いたキサゲ加工の自動化
- 405 研削加工の砥石表面温度について(O.S. 切削・研削加工)(切削・研削加工)
- 517 上下顎咬合運動の測定システムの開発 : システムの構成と測定精度の検討(計測制御・システム工学)
- 424 相関係数を用いた研削液の冷却効果の評価方法について(O.S.8. 微細精密加工と材料)
- 薄膜を利用した固体内部の温度測定法
- PVD薄膜による固体内部の温度測定
- 18.椅座位から立ち上がり歩行開始動作の分析 : 筋活動を中心に(第2報)(電気生理)
- オノマトペ(擬音語)における音の知覚量の評価について
- オクターブ関係にある周波数成分の差音の強調効果について
- 調和性複合音における完全5度および長3度成分の知覚に関して
- 基本波のオクターブ成分がピッチ感覚に及ぼす影響
- 複合音成分の振幅変化分布とピッチ知覚について
- 不規則断続音声の品質について
- 調和構造音の音の高さの判断についての考察
- 断続性音声信号の品質について
- 複合音および3音節合成音の音色要因の抽出について
- 平面研削盤による音響放射分布特性
- シミュレ-ションによる騒音のイメ-ジ評価について
- 交通騒音エンベロ-プパタンの心理効果について
- ディジタル処理方式による短時間イントネ-ション要因の計測について
- 703 刃先形状のオンライン計測
- HMDを用いた視線で操作するヒューマンインターフェースの構築
- 眼電図波形を用いた視線座標の検出法
- 小型計算機による音響分析合成システムとその聴覚計測への応用
- 周波数変調音の与えるピッチ感覚とその音色について
- 発光マーカを用いた無侵襲・無拘束な体動測定
- 手指の屈伸状態を判別する一方法
- 就寝時の突発的な事故の防止を目的とした無侵襲・無拘束なデータ取得システムの構築法(その他,ライフログ活用技術,オフィスインフォメーションシステム,ライフインテリジェンス,一般)
- 頭部の動きに対応した視線座標で対話するヒューマンインターフェースの構築(入力インタフェース,SNS,ライフログ活用技術,オフィスインフォメーションシステム,ライフインテリジェンス,一般)