極零モデルを用いた周波数応答関数のカーブフィット
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概要
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構造体の共振周波数や振動姿態は形状が単純な場合は解析的に、複雑なものについては有限要素法などの数値解析的手法で求められる。損失については、構造体を単一共振系で表し、それに直列に実験で得られた損失係数を挿入するという方法で扱うことが一般的である。しかしながら、この方法で得られる振動特性(速度応答/加振力)の反共振の鋭さは、それぞれの共振の特性を与えれば決まってしまう。用いるモデルが実際の損失を含む構造体の共振や反共振における振舞いを正しく表現しているかどうかは重要な問題である。実用面からいうと、最近では損失係数の測定に反共振の特性も用いられている。半値幅法で求める場合には共振でも反共振でも同じ手法が適用できるが、数学モデルを用いて共振特性も反共振特性も同時にカーブフィットを行って損失係数を求めようとすると、上で述べた共振モデルでは不可能である。そこで、数学モデルとして極零モデルを提案し、またカーブフィットの具体的方法についても改良を加えた。それらを実際の振動特性に適用して、種々の材料に対してうまくフィットすることも確認した。本報告はこれらの一連の結果をまとめたものである。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2002-05-23
著者
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