スパイラルモデルに基づくソフトウェア開発プロセスの品質評価

概要

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ソフトウェアの開発にかかわるさまざまな活動が, ISO等で検討されるソフトウェアライフサイクルプロセス (SLCP) として標準化されつつある. 従来の通信ソフトウェア開発の分野では, このSLCPのなかの一要素であるソフトウェア開発プロセスにおいて, ウォータフォールモデルに基づく構造化設計技法がよく利用されてきたが, この従来の設計技法は, 技術の継承, 品質評価のうえでの限界が指摘される. 一方, コンピュータソフトウェア開発の分野では, オブジェクト指向, プロトタイピング, スパイラルモデルといった新開発技法が実際に導入されてきている. これらの新開発技法は, 技術の継承等の面での解決が期待されている. 通信分野のソフトウェアは, 開発規模が比較的に大規模であること, リアルタイム性が追及されること, メモリの制限等の問題があり, これら新開発技法の導入が遅れていた. しかし, 近年の通信用汎用オペレーティングシステム (OS) の登場, 開発環境の整備, メモリの低コスト化等により, コンピュータソフトウェアの分野で利用される新開発技法の導入が可能になってきている. そこで筆者らは, スパイラルモデルに基づく新開発手法を通信ソフトウェアの開発に適用し, ソフトウェアの生産性やソフトウェア品質について従来の開発手法と比較を行った. スパイラルモデルに基づく新開発手法は, 管理工数や技術上の問題等いくつかの課題を残したものの, 生産性やソフトウェア品質の面で良好な結果が得られた.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-06-25

スパイラルモデルに基づくソフトウェア開発プロセスの品質評価

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