MEGによる知覚交替に関連した同期活動(ヒューマンコミュニケーショングループ(HCG)シンポジウム)
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概要
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脳の認識機能の特徴は, 同じ感覚入力に対しても, 様々なとらえ方を見出す柔軟性にある. 1つの図形の観察において複数の見えが意識に昇る知覚闘争現象は, この脳の柔軟性を理解する上でも, 重要な知覚現象である. 知覚闘争においては, 脳内の広範囲の部位が活動しており, これらの部位の大規模統合が深く関わっている可能性がある. これらの脳内ネットワークが, どのような機能的役割を果たしているのかを調べるために, 脳内ネットワークの時間関係を調べる必要がある. そこで, MEGのチャンネル信号間の位相同期関係を見ることにより, 知覚闘争に関する脳内ネットワークの機能的ダイナミクスを調べた. 実験としては, 双安定性仮現運動刺激を, Rivalry条件(被験者の見えに基づいて, ボタン押し報告)とReplay条件(刺激の明示的な変化に基づいて, ボタン押し報告)で, 被験者に観察してもらい, そのMEG記録を行った. その結果, 被験者のボタン押し報告前に, 前部・後部チャンネル間, 前部チャンネル内, 後部チャンネル内において, 過渡的な同期パターンが見られた. これらの結果は, 皮質における長距離同期およびローカルな同期活動が, 知覚交替に重要な役割を果たしている可能性を示唆する.
- 2005-03-18
著者
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藤巻 則夫
(独)情報通信研究機構未来ICT研究センター
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南 哲人
豊橋技術科学大学
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南 哲人
独立行政法人情報通信研究機構
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村田 勉
独立行政法人情報通信研究機構
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藤巻 則夫
独立行政法人 通信総合研究所 基礎先端部門 関西先端研究センター 脳機能グループ
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矢野 史朗
大阪大学大学院
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鈴木 良次
独立行政法人情報通信研究機構
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鈴木 良次
独立行政法人情報通信研究機構:金沢工業大学
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矢野 史朗
大阪大学大学院:独立行政法人情報通信研究機構
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