脳波を用いたコミュニケーションシステム : 動作イメージによる事象関連電位の検討
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概要
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本稿では、動作をイメージすることによって生じる事象関連電位(MIRPs)を用いて、ユーザの意図を検出するようなコミュニケーションシステムについて検討する。実験1では、意図を検出するための動作イメージとして手の把持動作を選び、注視点が現れるとその動作イメージを行うといろ教示を与えた。この時の脳内活動を多チャネル脳波計で観測した。統制条件として、実際に把持動作を行なう条件と動作イメージをしない条件を設定し、MIRPsと比較した。その結果、注視点提示後、400msec付近で動作イメージ条件の違いが、微弱であるが、電位パターンの違いとして観測された。さらに、より強調したMIRPsを得るために、P300成分を応用した実験2を実施した。Odd Ball課題を用いて実験2を行なった結果、動作イメージ条件では、P300成分はP3aとP3bの2つの正のピークが存在し、P3bは対側に優位な電位が観測され、非対称的になった。一方、統制条件のカウンティングによるP300では、非対称性は観測されなかった。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-06-21
著者
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