多原色表示装置における発光効率を考慮した色変換法(エレクトログラフィ特別研究会(<特集>紙面とディスプレイ画面に関わる先端技術動向))

概要

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広い色域を持つ表示装置は,高忠実な色再現を行うために必要である.4つ以上の原色を用いることで,高輝度かつ広色度な広色域表示装置を実現できる.しかし,原色の数が4つ以上になると,CIE-XYZ三刺激値から各原色の信号値への変換に自由度が発生する.我々は,4つ以上の原色を用いた表示装置における,CIE-XYZ三刺激値から色信号値への色変換法を提案する.本手法では,色変換を線形計画問題として扱う.この際,目的関数は消費電力の一次近似式,制約条件は色信号値からXYZ三刺激値への変換式として与える.こうすることで自発光型表示装置において消費電力を最小にする信号値を得ることができる.さらに,より実用的にするためにマッピングと色変換を一つの線形計画問題として扱う方法を提案する.実際のLEDの測定データを用い,シミュレーションにより本手法の有効性を確認したところ,用いる原色によっては,消費電力最大の解に対し平均で0.52倍に消費電力を抑えた解を得ることができた.また広色域のデータが含まれる画像に対し色変換を行った結果,問題なくマッピングが行われていることが確認できた.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-02-05