低速開離時の接点アーク現象の一考察
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概要
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近年, 電気接点(接点)への小型・高信頼性・長寿命の要求が強くなってきており, 特に, 小型化に関する現象の解明が急務である。電気接点の現象間には相関があり, パラメータが多いため, 現象は全て解明されているとは言えないが, 次第に明らかになってきている。今後, 電気自動車や様々な電子機器が普及するにつれて, これらに用いられる継電器やスイッチにはさらに要求が強くなることが予想される。接点の開閉に伴って生じるアークは, 電極の消耗や転移をもたらし, 材料・電圧・電流などの条件によって定まるギャップに至るまで切れない。継電器やスイッチを小型化するためにはアークが切れるギャップを極力短くする必要がある。筆者らのグループは, Pdを低速で開離すると, アーク継続時間が頭打ちになる, すなわちアークが切れる接点ギャップが短いという実験結果を得た。一方, Agでは円柱ホルダから突き出ている接点試料の長さ(電極長)が長いとアークが切れる接点ギャップが短くなる傾向がみられた。本文では, 短い接点ギャップでアークを切るためにはどのようにするとよいかという観点から, Pd-Pd接点とAg-Ag接点の二種類について, 大気中・直流・抵抗負荷・低速開離時におけるアーク現象について考察する。そして, 短い接点ギャップでアークを切るためのアーク遮蔽効果が存在する可能性を示唆する。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-03-06
著者
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