階層型ニューラルネットによる判別分析について

概要

論文の詳細を見る
階層型ニューラルネットは、統計的非線形判別分析やパターン認識との融合という観点から、脚光を浴びている。本稿では、分類問題 (Classification problem) の視座から、二値データに関するネットワーク尤度を構成する。そして、未知パラメータをニューロン間のリンク荷重 (connection weight) とみなし、尤度原理による統計的推測を行う。また、逸脱度 (deviance) を導入し、モデルの適合度を点検する。赤池の情報量基準AIC (Akaike Information Criterion) に基づいて、隠れ層のユニット数を決定したり、最適なモデルを選択することもできる。更に、尤度比検定に基づく階層型ネットワークのコンパクト構造化を試みる。実際例として、図1の糖尿病診断について、3層ニューラルネットによる三群判別を取上げる (Andrews et al., 1985)。肥満でない145名の対象者に施した3種類の検査結果に基づいて、正常、化学的糖尿病、および臨床的糖尿病の三群に判別する。[figure]
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06