SB-6-6 先行遅延付加によるTCPの輻輳制御方式の提案

概要

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TCPはエンド-エンドでの輻輳制御機構を有しているが, 下位のIPレイヤでTCPに対して明示的に輻輳通知を行わないため, パケットの損失を輻輳検知の手段として用いている。一方, インターネットの普及, 回線の高速化などにより, ルータなどの中継機器において実装されるキュー長は増加している。TCPの輻輳制御機構は, キュー溢れによりパケット損失が発生しないと働かないため, こうしたキュー長の増加は, ネットワーク全体の遅延時間を増加させることになる。更に、キュー溢れによるバースト的なパケット損失は, 伝送効率を著しく劣化させる要因となる。そこで, 中継機器において早期に明示的な輻輳通知を行う, RED (Random Early Detection) Gatewayや, DECbitによる輻輳回避方式などが提案されている。本稿では, 輻輳を回避するために, 中継機器においてキュー長を監視し, キュー長に応じて遅延を挿入するAdvanced Delay Insertion Gateway (ADIG)方式を提案する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-03-08