道路交通状況を加味した市街地マイクロセル環境における伝搬損失レイトレースシミュレーション(通信・放送用アンテナ及び一般)

概要

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移動通信システムのシステム設計においては,コンピュータシミュレーションによって、伝搬特性を推定することが行われている。マイクロ波帯を利用した移動通信ではUHF帯での場合と異なり、マイクロセルシステムの利用が一般的であり、特に市街地環境においては、交通量の変動が伝搬特性に大きな影響を与える。コンピュータシミュレーション正確に行うためには、建物や道路幅などの地物環境だけではなく、交通量の影響についても加味する必要がある。筆者らは先に見通し遮断測定装置を開発した交通量の変化が伝搬特性に与える影響について実地に測定しその結果を報告した。今回、筆者らはこの測定のように交通量変化に対する伝搬特性の変化をモデル化した地形において計算機で簡易なシミュレーションを行った。ここでは交差点を含む道路を走行する車両をシミュレーションに加味している。その結果、一般的な市街地環境で約2000台/30分の交通量があると伝搬損失はレイリー分布を示した。これは実測結果とよく整合するものであり、簡易なシミュレーションであっても、システム設計に有用なツールになることがわかった。
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-09-04