フォルマント軌跡を利用した局所話速変化検出手法

概要

論文の詳細を見る
これからの音声認識システムにおいては、音韻情報だけではなく、強調等の話者の意図もある程度捉えられるような、感性情報処理の方面の研究が重要な課題となると考えられる。音声波形に音として含まれる言語的意図情報の中でも、ピッチ、パワー等については、すでに各所で研究がなされているが、局所的な話速の変化に含まれる情報については、研究例が少ない。日本語はモーラ単位の等時性をもつといわれている。しかし、我々が相手に重要なことをわかりやすく伝えたい場合、声を高くしたり、音量を上げるだけではなく、重要な部分を「ゆっくり」発声することがある。全ての発話においてそのような話速の変化を伴うわけではないが、話速の変化が含まれている場合には、その箇所に発話者の重要な意図が含まれていると考えられる。我々は、そのような局所的な話速の変化を捉えられる能力を持つことが、上述の感性情報処理の観点からも重要であると考えている。本稿では、フォルマント軌跡情報を用いて、あらかじめ音素セグメンテーションを行うことなしに局所的な話速変化を検出する手法について検討する。また、話速を求める単位は、「意味的なまとまり」と呼ぶ単語程度の長さの音声区間としている。これらは、得られた話速変化情報を、連続音声認識や対話理解等のシステムに提供することを想定しているからである。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-03-11

フォルマント軌跡を利用した局所話速変化検出手法

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク