盲ろう者のためのマンマシンインタフェースの検討

概要

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日本の視覚障害者は約36万人と推計され,約半数が全盲に近く,また,67%が60歳以上という報告がある.一般に,高齢化に伴う聴覚障害には,高帯域における聴覚の低下とダイナミックレンジが狭くなるという特長がある.これらから,視覚聴覚二重障害者(以下盲ろう者と記す)のコミュニケーション支援機器の研究が重要であると考えられる.盲ろう者は,日常会話に指点字を利用している,指点字は,相手の指を点字に見立て,点字の凸部に相当する部分に触れるコミュニケーション方法である.最近の盲ろう者用代行機器に関する研究としては,伊藤らの"HandBraille"法がある.この代行機器の入力は,キーボードまたは点字ワープロで行われる.また,Fig.1(a)に示す位置への圧電ブザーによる刺激を出力とする.このように既存の代行機器では,入力と出力を別々の方法で行う必要がある.一方,ATM(Automated Teller Machine)のなどの対話型マシンとのコミュニケーションを考えた場合,単純な情報交換のみで可能と考える.このような背景から,我々は,盲ろう者の日常的なコミュニケーションに有効な機器として,点字の形式で入出力が可能で操作が簡単な代行機器を提案する.[figure]
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-03-11