注目点を画像原点に撮像するためのカメラシステム回転角の算出
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概要
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画像中の興味ある部分を視野の中心にすえる方式が提案され,コンピュータビジョンの多くの課題において研究されて有用であることが示されている.これらの研究は,焦点距離が既知であることやカメラはその原点であるレンズ中心を中心にして回転できるとした仮定のもとでの理論展開が主である.しかし,移動ロボットなど動的に焦点距離が変動する状況でこれらの成果を利用しようとすると,実際にカメラを回転して画像中の注目点を画像原点に撮像できなければならない.すなわち,画像原点とアスペクト比は既知とし,それ以外のカメラパラメータは未知であるとの条件のもとで,注目点の画像座標値を使用しての回転角が算出できなければならない.本論文では,回転機構のみを具備した最も簡素なカメラシステムで本課題を実現する手法を提案する.まず,焦点距離は未知であり回転中心は未知の点であるとの条件での.焦点距離と回転角を算出する解析式を導出する.次にこの解析式が注目点抽出時の誤差に対して不安定であることを考察し,回転中心とカメラ座標系原点の間の位置ベクトルに対する弱い仮定をおいて,誤差に強い算出式を導出する.最後に,後者の算出式による実験を行い,本手法が有効であることを示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-07-25