軸索のカオス伝達特性
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概要
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本論文は, 神経回路網中にカオスがどのような形で存在し得るのか, すなわち神経回路網中のカオスの伝達特性を明らかにすることを目的とし, 軸索モデルを用い, 軸索の伝達特性について, カオスに着目して検討を行ったものである.本論文では, 細胞体で発生したカオスが, 軸索を通して, 次のニューロンへどのような形で伝達し得るのかを調べるため, 細胞体から得られたカオス的出力パルス時系列の伝達特性について軸索のしきい値を変化させて検討を行っている.軸索モデルとしては, 先に報告したカオス現象などの特性をシミュレーション可能なモデルを用いた.今回は, 軸索モデルは, しきい作用, 波形整形作用により, 全か無かの法則に従う場合を考え, 細胞体の出力, すなわち軸索の入力に, 間隔の時系列にカオス性を有するパルス列, 及び振幅の時系列にカオス性を有する場合, このカオス的間隔特性は, 次のニューロンへ伝達されることを確認している.次に, 細胞体の出力パルスの振幅の時系列がカオス性を有する場合, このカオス的振幅特性は伝達されないが, 軸索の出力パルスの間隔の時系列が複雑さを有していることを示している.これらの解析により, 細胞体の振幅のカオス的出力パルス時系列は, 軸索を伝達することで, カオスの振幅-間隔変換により, 複雑な間隔時系列に変換されることを明らかにしている.
- 2000-03-25
著者
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