測位・航法システムにおける民生/安保の接点と日本の状況(GPS論文小特集)
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概要
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全球航法衛星システム(GNSS)は, 米軍のGPSを基軸としつつも露軍のGLONASS, また将来は欧州連合の非軍用「ガリレオ」構想等の要素も含めて, 民生面で広範な応用と巨大な市場とを生み出し, 21世紀情報化社会の基本インフラとなりつつある.反面, 特定国の軍用システムに世界の民生が依存してきたことの懸念及び「敵性利用」の脅威が指摘され, 民生/安保を横断する課題として世界的に関心が高まっている.これを背景として, 日米政府間では1996年以来「GPS協議」が着手され, 最近2001年2月の「日米GPS全体会合」に至る種々の会合がもたれてきた.本論文ではこれら経緯を概観するとともに, 日本の航法衛星問題対処において縦割り性及び民生/安保の断絶が見られること, 航法衛星の有用性のゆえに起源の軍用・非軍用を問わず敵性利用がありうること, 国際的には敵性利用への対策が利用国の責任である等民生/安保の不可分性が認識されていることを述べ, 日本のGNSS研究開発にかかわる諸兄姉が, 航法衛星問題の民生/安保を横断する広範性を理解され, 敵性利用等の安保面を含む課題への関心を認識されることが望まれる旨を提言する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2001-12-01
著者
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