格枠による訳パターンの自動生成(英文翻訳システムにおける)

概要

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本研究は,構文文法や語彙意味論などに見られる"意味役割"や格枠といった概念を利用し,英文の訳に必要な"訳パターン"を自動的に生成する方法を模索している。また,これを利用した辞書編集システムと,英単語情報を辞書に自動登録するシステムを構成した,きめの細かい訳を出力するための訳パターンは,生成文法における下位範疇化規則だけでなく,格枠とか意味役割といった意味論的な情報が必要となる。しかし,これらの知識のない一般の使用者が英単語の訳を登録するためには,コンピュータの支援が必要である。本研究では,いくつかの文献に現れる"格枠"(CASE FRAMES)という概念をコンピュータで扱えるように形式化し,格枠辞書を構成した。これによって,手入力では非常に多くの手間のかかっていた辞書への登録が簡単に行えるようになった。また,これによって,従来専門家の直感に頼っていた動詞の分類や英文の認知が,ある程度形式的に判断できる道が開けたのではないかと思われる。
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-03-11