時空間勾配解析による板材表面の音響的不均質性の計測
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概要
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音響による非破壊検査では,縦波,せん断波,または両者が利用されてきた.これらは等方性媒質内では非分散性の波であるため,伝搬遅延に基づいた亀裂の深さや形状の計測に有効であった.一方,検査対象の厚さが波長以下になると,薄板に沿って伝搬するラム波を用いた非破壊検査が有効となる.ラム波は,板を導波路として進行するため,他の波動と比較して,小さなエネルギー減衰で伝搬する.そのためラム波を用いることにより,一度に広い領域の探傷を実現することができる.ところが,ラム波は複数の伝搬モードが存在を許し,その音速が周波数と板の厚さによって変化する分散性の波であるため,時間の経過とともに人力パルスの形状が崩れ,亀裂や剥離,腐食箇所からの散乱波を検出することが困難となる.そこでラム波を用いた探傷を効果的に実施するためには,音速に影響されない検出法の確立が必要となる.本研究が提案する手法は,ラム波によって発生する次の4信号士検査対象表面の法線方向(ο軸方向)の変位,2:法線方向(ο軸方向)の粒子速度,3:法線方向と表面に沿う方向(x軸方向)に関する剪断歪み,4:法線方向と表面に沿う方向(y軸方向)に関する剪断歪み,の間の線形従属性を利用し,局所的なラム波の伝搬速度と,亀裂からの散乱波を検出することを特徴としている.本手法は,4信号間の線形従属性を利用しているため,波面の伝搬速度とは関係なく,散乱波の波面を険出することができる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2003-01-21
著者
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