記録メディアを安全に破棄するための非分離暗号モード

概要

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CD-RやDVD-Rのようなメディアを破棄するときには,情報の漏洩を防ぐため,物理的な損傷を与え,そのメディア自身を読めなくすることがしばしば行われる.しかし,物理的な損傷を受けていない部分から何らかの手段により部分的な情報が読み取られる可能性も否定できない.このような問題は,記録するデータを予め暗号化することによって解決することができるが,暗号化鍵の管理の問題が新たに生じる.したがって,たとえ暗号化鍵が漏洩したとしても,暗号化されたデータの一部が物理的損傷によって消失していれば,元のデータのいかなる情報も復号できないような暗号方式を用いることが望ましい.この論文では,この性質をもつ暗号方式を提案する.提案する暗号方式の構造は,OAEPに類似している.また,BellareとRogawayが提案したvariable-length-input暗号とJakobsson,Stem,Yungが提案した暗号方式はこの性質を満たさないことを示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-11-07