有意ビット分類と階層間補間に基づくFGS符号化の効率改善(画像・映像処理)

概要

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動画像符号化の一方式であるFGSは,画質への寄与度が高い情報から優先的に階層化された符号化ストリームを一つ作成し,それを優先度の高い情報から連続的に伝送することによって,ネットワーク上の異なる受像環境に合わせた柔軟な動画像伝送を可能にする.しかし,FGSの符号化効率は極端に低く,階層化されていない動画像符号化方式と比較して,PSNR特性が2〜3dB程度下回っていた.そこで本論文では,FGSの符号化効率を改善し,更に復号画像の品質を向上させる方法について述べる.まず,従来のFGSが極端に低い符号化効率を示す原因について分析し,本研究の課題を明らかにする.次に,有意ビット分類に基づくビットプレーン符号化処理方法と階層間補間に基づく復号処理方法を提案する.シミュレーションの結果,前者の提案手法により,拡張レイヤで発生する符号量をFGSと比較して約2%削減できることを確認した.また,後者の提案手法により,ふくそう等の帯域変動以降の復号画像へのドリフトエラーの伝搬を抑制し,従来のPFGSと比較して復号画質を1〜2dB程度改善できることを確認した.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-10-01