UDLを含むネットワークで動作するOSPFの拡張(次世代インターネットアーキテクチャ)(<特集>インターネットアーキテクチャ技術論文特集)
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概要
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本研究では,OSPF(Open Shortest Path First)経路制御機構の機能を拡張し,衛星通信回線を用いた片方向回線(Uni-Directional Link, UDL)を含むネットワークに対応した経路制御プロトコルを設計した.現在,UDLを含むネットワークでは,受信専用ノード(レシーバ)から送受信機能をもつノード(フィーダ)へIPトンネリングによる仮想的な接続性を確保し,UDLを双方向回線(Bi-Directional Link, BDL)にエミユレートする手法がとられている.これにより,仮想的なBDL上で既存の経路制御プロトコルをそのまま動作させる.この手法は既存のネットワークにすぐに適用できる解決法であり,単一の機構によって多くの経路制御プロトコルに対応する.しかし,特定のトポロジーでは正しい経路制御が行えなかったり,衛星通信回線の大規模性を考慮していないなどの問題がある.本研究では,UDLにおいてフィーダからレシーバヘの接続性を検知する機構を既存のOSPFプロトコルに導入した.片方向の接続性を示すリンク情報を新しいリンクタイプとして定義し,UDL上で検知された接続性をOSPFに広告する.また,0SPFルータが既存のリンク情報と本研究で定義した片方向のリンク情報から最短経路木を作成し,最短経路を計算するよう実装を行った.更に,大規模なUDLを考慮し,必要な場合だけUDL上でリンクステートデータベースを同期させる手法を考案した.UDL上でリンクステートデータベースを同期させない場合も,ネットワーク全体では同一のリンクステートデータベースを保持する設計を行った.本研究は,UDLを用いた大規模ネットワークにおける動的な経路制御を実現する.これにより,今後,衛星通信回線のような広域の放送型通信媒体を既存の通信媒体と統合して利用できる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2004-10-01
著者
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村井 純
慶應義塾大学環境情報学部
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村井 純
慶應義塾大学
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村井 純
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科
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楠本 博之
慶應義塾大学環境情報学部
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楠本 博之
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科
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楠本 博之
慶応義塾熟大学
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楠本 博之
阪大、理
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藤枝 俊輔
東京大学新領域創成科学研究科
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楠本 博之
慶応大 環境情報
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村井 純
東京大学
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藤枝 俊輔
慶應義塾大学政策・メディア研究科
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楠本 博之
慶應義塾大学
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