IPネットワークにおけるISDNの利用

概要

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広域で大規模な分散環境の構築に際して、さまざまな通信技術を複合的に有効利用することは重要である。そのため、わが国のインターネットの構築では高速デジタレ専用回線、音声専用回線、公衆パケット交換網、私設パケット交換網などの各種通信媒体を複合的に利用している。しかしながら、必要な時のみ回線を使用するような間欠リンクの利用は、実験的には行なわれてきたものの[2]接続時間や帯域・信頼性などの点でIPネットワークとして用いるには充分ではなかった。最近一般的になってきたいISDNの回線交換サービスは、基本チャネルとして64kbpsの帯域が提供されるので、IPネットワークを構成する上で有効な媒体である。従って、広域分散環境の構築にはその利用技術の開発と確立が急務である。そのため、WIDEプロジェクト[3]では、ネットワーク間接続を用いた広域分散環境におけるISDNの有効の利用技術に関する研究実験を実験基盤のWIDE Internetを用いて開始していた。従来回線交換網は、バーチャルサーキットを基盤とした技術との整合が考えられているが、WIDE Internetのようなデータグラムを基盤としたネットワークにおいては確定したモデルが存在していない。そのため、WIDEプロジェクトでは、インターネットデータグラムにおけるISDNを含んだアーキテクチャのモデルを仮定し、そこから生じる要求に従った通信機能の設計・実現を行い、その評価を行った。本実験で使用したシステムではX.21インターフェースを有する市販のターミナルアダプタを用い、自動発信および自動受信の制御を行っている。
社団法人情報処理学会の論文
1991-02-25

IPネットワークにおけるISDNの利用

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