小中学生における空間能力と性的ステレオタイプ諸変数との関連性
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概要
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本研究の目的は, (1)空間能力と性的ステレオタイプ変数との間の関連に, 男女で異なる傾向性がみられるかどうかの検討, (2)アメリカにおける先行研究でみられた性的にステレオタイプなパーソナリティ諸変数と空間能力との間の関連が, アメリカとは文化の異なる日本の青年にも見られるかどうかの検討, (3)成熟の自己評価の指標と空間能力との関連の検討, の3点であった。上記の目的に関連して, 2種の空間能力課題, 性的にステレオタイプ化されたパーソナリティ尺度, 及び空間活動尺度を測度とし, 小学校4年生, 6年生及び中学校2年生を被験者として, 調査が行われ, 空間能力と他の諸変数との関連が検討された。得られた主要な結果は以下の通りである。(1)男子では2つの空間能力ともに, 性的ステレオタイプ変数との関連がみられたが, 女子では空間能力の典型性の低い課題しか性的ステレオタイプとの関連を示さなかった。(2)男性性が高いこと及び女性性が低いことと空間能力の高さが結びつくという傾向は, アメリカにおける先行研究と一致するものであった。特に女子に関しては, 空間能力と有意な関連を持つ尺度として, Newcombeらの研究と共通する2つの尺度(Nashの尺度及びPAQ(F))があることが指摘された。(3)成熟の自己評定と空間能力との間には有意な関連がみられなかった。
- 日本発達心理学会の論文
- 1997-04-30
著者
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