マツカワの卵質劣化に及ぼす残留過熱卵の影響
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概要
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マツカワの卵質が劣化する機構を調べるため,搾出した卵を72時間冷所保管し,受精率および発眼率の変化を解析した。その結果,透明卵の割合が高い搾出卵の場合,受精率は採卵72時間後でも80%以上と高値を示した。しかし,これらに過熟卵を混合して保管すると,受精率は24時間後に急激に低下した。また,発眼率は,透明卵が多い搾出卵でも時間経過に伴って徐々に低下した。以上の結果,マツカワの卵巣腔内で過熟化が進んだ残留卵および卵巣腔液は新たに排卵された正常卵の受精能を加速的に低下させることが示唆された。
- 公益社団法人日本水産学会の論文
- 2003-05-15
著者
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萱場 隆昭
北海道立栽培水産試験場
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山内 皓平
北海道大学大学院水産科学研究院
-
足立 伸次
Division Of Marine Life Science Graduate School Of Fisheries Sciences Hokkaido University
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足立 伸次
北海道大学大学院水産科学研究院
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杉本 卓
北海道立栽培漁業総合センター
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萱場 隆昭
Kushiro Fisheries Research Institute
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