48. Folic acid投与によるラット水腎症におけるp-nitrophenyl phosphataseの組織細胞化学的研究
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概要
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Folic acidをラットの腹腔内に単回投与(250mg/kg)して閉塞性水腎症を誘発した腎臓の、Na, K-ATPase活性の変化を知る目的でNPPase反応について、組織細胞化学的に検索した。投与後、黄褐色結晶の尿細管閉塞に由来する腎臓の腫大およびBUNの上昇がみられ、72時間後までは漸次増悪化したが144時間後では軽減した。NPPase反応の抑制は、髄質外帯の遠位尿細管およびヘンレ上行脚にみられ、3時間では軽度であったが、24時間では強度であった。72時間後では、最も強い閉塞性水腎症を示したが、これらの尿細管の一部ではすでに、NPPase反応の回復がみられ、144時間後ではさらに多くの尿細管にNPPase反応の回復がみられた。これらのNPPase反応はKで活性化され、ウアバインで抑制された。電顕細胞化学的には、これら尿細管上皮細胞の原形質膜の内側にNPPase活性を示す反応産物がみられた。またNPPase活性を定量した結果、投与後24および72時間でNPPase反応の強い抑制がみられ、144時間では回復を示した。以上NPPase反応の抑制は、閉塞性水腎症および腎機能の変化とよく対応し、尿細管の原形質膜の障害を示唆した。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
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