22. ヒト胆嚢の粘液組織化学的研究
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概要
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慢性胆嚢炎にみられる胆嚢粘膜の様々な形態学的変化は, 胆嚢癌との関連上重要な意味を持っている。今回の研究で, このような形態学的変化に伴って上皮性粘液にも質及び量的な変化の生ずることが明らかになってきた。材料は剖検時に灌流固定した正常の胆嚢2例と, 胆石症その他の診断のもとに外科的に切除された胆嚢20例で, 染色法としてはhigh iron diamine-Alcian blue及びコンキャナバリンAパラドックス染色法等を用いた。正常な胆嚢粘膜は比較的平担で, 粘液腺は胆嚢頚部にのみ認められた。慢性胆嚢炎では, 粘膜の乳頭状増殖, 杯細胞や時には異型上皮の出現などのほか, 特に目立つ所見として粘液腺の著しい増加をあげることができる。組織化学的には, 正常の被覆上皮は腺腔に面した胞体に少量のスルフオムチンを含むにすぎないが, 乳頭状に増殖した粘膜の被覆上皮では, 一般的に粘液の増加を認め, 異型上皮においては逆に粘液産生は著しく減少している。新たに形成された粘液腺はパラドックス染色法でIII型に属する粘液を含んでおり, その点で胆嚢頚部に正常でも存在する粘液腺に類似している。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
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