57. 眼球炭酸脱水酵素の組織化学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
炭酸脱水酵素は赤血球, 腎臓のほか眼球に多量存在することが生化学的に確認されている。今回白色家兎, ラット, マウスの眼球における本酵素の局在を組織化学的方法により検索し, さらに副腎皮質ホルモンを長期投与して, 実験的に緑内障を惹起させた白色家兎眼球についても研究を行った。とくに炭酸脱水酵素の蛍光抗体間接法を併用して, Hansson法による組織化学所見との比較検討を試み, その特異性についての考察を加えた。眼球は摘出後-70℃で凍結し, 6μの凍結切片を作成して, Hansson法に準拠し, millipore filterを使用して炭酸脱水酵素の染色を行った。免疫組織化学的検索には種々の固定法を試みたが, 凍結切片glutaraldehyde短時間固定の場合に最もすぐれた結果がえられた。動物種族間では眼球内炭酸脱水酵素活性の局在にとくに差異は認められなかった。すなわち毛様休では色素上皮, 無色素上皮ともに酵素活性が認められ, 網膜では色素上皮のほか, Muller線維や神経線維に一致して活性が証明された。Diamoxによる抑制試験で反応は消失し, Hansson法は特異的と考えられた。蛍光抗体間接法による検索でも酵素局在に関し,Hansson法の所見にほゞ一致していた。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
関連論文
- ヒト血清中に含まれる細胞の壁着伸展性誘導蛋白--新しい糖蛋白の分離精製
- 正常細胞ならびに悪性腫瘍細胞にみられる細胞膜の生物学的ならびに細胞化学的差異について : 試験管内培養線維芽細胞と線維肉腫細胞を中心にして
- 肺癌の手術予後に関する臨床的ならびに病理学的検討 : 〔後篇〕病理学的検討
- 388 子宮筋腫組織のコラーゲン量, コラーゲン合成能, 及びI・III型コラーゲンの局在性について
- インドメサシン投与家兎の排卵とcollagenolytic enzymes活性へのPGF_2α の効果
- 家兎卵巣中collagenolytic enzymes活性におよぼすインドメサシンの影響
- インドメサシンによる排卵抑制時家兎卵巣中のコラーゲン産生能
- 41. 家兎卵巣のコラーゲン合成系の排卵時変化とプロスタグランディンの影響 : 第7群 内分泌 I (37〜41)
- 家兎卵巣中Prolyl hydroxylase活性とその排卵時変化
- 肝細胞癌および肝原発と思われる横紋筋肉腫を合併した1剖検例
- Effect of Hormonal Milieu on the Growth of Transplantable Granulosa Cell Tumors in Mice
- SDラットにおけるウルトラレンテ,インスリンの催奇形効果と投与時期
- 後腹膜腔線維脂肪腫症 (内科から病理へ-3-全国大学・病院CPC117症例) -- (病理篇)
- Teratogenicity of Regular Insulin and Ultralente Insulin in Rats
- 13. SDラットおよびWistarラットにおけるultralente insulinの催奇形作用
- 57. 眼球炭酸脱水酵素の組織化学的研究
- Teratogenic Effects of Sulfonylureas and Insulin in Rats
- A case of cranial chordoma with sarcomatous change.