33. 線条体シナプスと化学伝達物質 I. モノアミン性神経終末
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概要
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線条体はドパミンやアセチルコリンの脳内分布が最高量を示す部であり, その他にも種々な化学伝達物質を含む。本報告ではモノアミン含有シナプスを細胞化学的に証明し、微細形態との関係を明らかにしようとするものである。Hokfelt(1968)の方法に従い, 新鮮ラット尾状核頭部の前額断切片を, 酸素で飽和した0.2%グルコースを含むKrebs-Ringer重炭酸塩緩衝液に37℃で5分間incubateし, その液にアスコルビン酸0.2mg/mlとα-methyl-noradrenaline (α-MN), 10μg/mlを加え更に20分間incubatinを続けた。その後3%KMnO_4溶液で約1時間固定して型の如く脱水包埋し検鏡した。モノアミン性シナプス小胞はα-MNをとり込み顆粒を示した。この顆粒小胞は2種類のシナプスに含まれている。A型は神経終末がSpine dendriteに接し、比較的大きく糸粒体を含み, B型は逆に神経終末が後シナプス側の樹状突起より小さく、糸粒体をもたないことが多い。シナプス膜はA型はasymmetric, B型はsymmetricに見える。次に2型とも顆粒小胞をもつシナプスの面積を測定しヒストグラムを作ると, 正規分布でなく, 2相性の傾向を示した。以上より線条体には少くとも2種類のモノアミン性神経終末があると推定される。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
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