わが国における肺癌CT検診の現況と世界の動き,そして将来 : 九州地区から<セミナーII : わが国における肺癌CT検診の現況と世界の動き,そして将来>
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概要
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目的,low-doseヘリカルCTを用いた胸部検診の有用性について検討した.対象・方法.1996年4月より2001年3月までの6年間にヘリカルCT検診が施行された2,013名と,胸部X線検診の要精査患者でヘリカルCT精検およびフォローアップCT検診が施行された1,300名が対象であり胸部異常陰影の画像所見と原発性肺癌の発見率が検討された.結果.ヘリカルCT検診では4例の原発性肺癌が発見され肺癌発見率は0.2%であった.胸部X線検診受診者195,123名中要精査患者は3,361名であり当院を受診した1,300名にヘリカルCT精検が施行され61例の原発性肺癌が発見された(4、7%).これに対して当院以外を受診した要精査患者は2,061名であり41例の肺癌が発見され(2.0%),ヘリカルCT精検が施行された当院での肺癌発見率との間には有意差が認められた(p<0.0001).ヘリカルCTにて発見された373部位の異常陰影に関して,単発性結節陰影238部位中61部位(26%),斑状陰影53部位中1部位(2%),結節性スリガラス様陰影11部位中3部位(27%)に計65例の肺癌が発見された.65例中50例は初診時に組織学的診断がついたが,15例(23%)はフォローアップCT検診で陰影変化が経過観察されたのちに経気管支的もしくは経皮的アプローチが施行された.結論.ヘリカルCT検診は早期肺癌の可能性のある小結節に対して高い感受性を持ち肺癌発見率を上昇させることから検診手段として非常に有用であるが,良性疾患への無用な生検の危険性が指摘される.さらにヘリカルCT検診を住民検診レベルで施行するには未だ開題は多く,現段階では胸部検診での要精査患者に対しては,ヘリカルCT精検を行った上でフォローアップCTで陰影変化を追跡する努力が必要と思われる.(肺癌.2002 ; 12 : 851-858)
- 2002-12-20
著者
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