肺癌術後に発症した輸血後GVHD様症候群と考えられた1例
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概要
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症例は71歳の男性, 血痰のために近医を受診し右下肺野に空洞を伴う異常陰影を指摘され, 当院に紹介入院となった.肺癌と診断し右下葉切除術を行い, 術中に赤血球濃厚液を6単位, 新鮮凍結血漿を10単位輸血した.経過は順調であったが, 術後11日目に発熱が始まり, 13日目に全身紅斑が出現し, 汎血球減少, 下痢, 肝腎不全, 敗血症を併発し, 23日目に死亡した.臨床経過並びに低形成を示した骨髄生検所見などから輸血後GVHD様症候群と考えられた.輸血後GVHD様症候群は発症すれば致死率が高く, 輸血前血液照射などの発症予防を構ずることが大切であることを示唆する症例であった.また文献上, 我々の検索した範囲で肺切除後に発症した輸血後GVHD様症候群の報告はみられず, 本症例が1例目と思われる.
- 日本肺癌学会の論文
- 1994-04-20
著者
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井上 修平
国立療養所南京都病院胸部外科
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鈴村 雄治
国立療養所南京都病院胸部外科
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高橋 憲太郎
国療南京都病院胸部外科
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高橋 憲太郎
国立療養所南京都病院胸部外科
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高橋 憲太郎
国立療養所南京都病院呼吸器外科
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井上 修平
国立療養所南京都病院呼吸器外科
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