培養ヒト腎癌細胞の増殖におよぼす化学免疫療法剤 : 温熱, 放射線照射の影響
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概要
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進行性腎細胞癌の効果的な治療法の開発を目的として,ヒト腎癌由来培養細胞株KPK1を用い増殖におよぼす影響を検討した.IFNβ,γ,Vinca alkaloid(VBL,VCR,VDS)剤,温熱および放射線照射はKPK1細胞の増殖に対し抑制的に作用した.IFNはβ,γとも濃度,時間依存性の増殖抑制作用を示し,その程度はβが有意に強かった.Vinca alkaloid剤は3割とも強い増殖抑制作用を示したが,薬剤間の差は認められなかった.温熱処理は43℃以上で抑制作用を認めた.放射線照射は500rads以上で強い抑制作用を認めた.IFNαおよびホルモン剤では,それらの高濃度においても,KPK1細胞の増殖抑制作用が認められなかった.以上の結果は,IFNβ,γあるいはVinca alkaloid剤を応用した免疫化学療法,温熱療法,放射線療法などの組み合わせによる実学的治療の腎細胞癌への適用の可能性を示唆するものである.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1989-09-20
著者
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