脳膀胱に関する臨床的研究 : とくに左右の脳と排尿障害の相関について
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概要
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いわゆる脳膀胱の患者259例を対象にして、脳病変の部位(とくに左右のlaterality)と排尿障害のパターンとの関係を求めた。対象例の脳疾患は脳血管障害、変性疾患、脳腫瘍などであり、CTなどによって病変の部位が確認されている症例を中心に、尿路症状と膀胱機能等の検索を行なった。その結果は次の通り。1)尿路症状としては、259例中135例が排尿困難、106例が尿失禁、92例が頻尿を呈し、この三症状が最も多かった。2)脳病変が右側に限局した場合には、左片麻疹を示し、排尿困難を示すことが多かった。またcystometryの所見としてはhyperreflexiaを示す事が多いが、他のパターンも混在していた。3)脳病変が左側に限局した場合、右片麻痺を示し、尿失禁を示す事が多く、cystometryの所見としてはほとんどがhyperreflexiaを示した。4)片麻痺と臨床症状の関係を検討すると、左片麻痺ならば排尿困難と頻尿を示し、右片麻痺ならば尿失禁を示す傾向が有意に認められた。5)残尿量、UPPの所見、尿路感染等と脳病変との間には多少の関連は認めたが、結論を得るには至らなかった。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
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