前立腺肥大症に対するKTPレーザーを用いた経尿道的前立腺蒸散手術の治療成績

概要

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(目的)前立腺肥大症にKTP laserを用いた蒸散効果による経尿道的前立腺切除術を施行し,その術後2週間と6カ月の治療成績について検討した.(対象と方法)前立腺肥大症患者21例を対象とした.発出装置としてMODEL SL20/50^<TM>を,またfiberとしてADD/Stat^<TM>側射型fiberを使用した.尿流測定,超音波断層法による残尿量測定,IPSS記録,QOL score記録をそれぞれ術後2週と6カ月に施行し術前と比較した.有意差の検定には最大尿流率と残尿量に関してはpaired t-testを,IPSSとQOL scoreに関してはWilcoxon signed-ranks testを用いた.また症状に関して術後2週間と6カ月の効果を河邊班の判定基準に基づき判定した.(結果)最大尿流率,残尿量,IPSS,QOL scoreのいずれも術後2週,6カ月ともに有意に改善していた.症状に関し,河邊班の判定基準における有効以上が術後2週間,6カ月ともに71.4%であった.1例のみが術後一時的尿閉となったが,その他の重要な合併症はみられなかった.前立腺容積が50ml以下の3例は術後6カ月では,河邊班の判定で無効であった.(結論)KTP laserによる前立腺蒸散手術は,前立腺容積が50mlまでの前立腺肥大症に対し,安全で効果的な術式である.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
2001-05-20