膀胱腫瘍におけるイメージサイトメトリーによる核内DNA量測定

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(目的)膀胱腫瘍の生物学的悪性度を知る目的で,イメージサイトメトリーにより癌細胞の核内DNA量を測定した。(対象と方法)経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)を施行した移行上皮癌(TCC)37例,39病巣を対象とした。それらについてイメージサイトメーターを使用し,組織切片上で癌細胞の核内DNA量を測定し,ploidy pattenを決定した。(結果)得られたploidy pattenをDiploidおよびNon-diploid pattenに大別して検討した結果,39病巣中,Grade 1では50%,Grade 2では73%,Grade 3ではl00%とGradeが上がるにつれ,Non-diploid pattemの出現頻度が増加した。また,内視鏡所見からみると乳頭状腫瘍の67%,非乳頭状腫瘍の87.5%,非隆起性腫瘍(CIS)ではl00%がNon-diploid pattenを示した。対象症例中,再発の有無を検討したところ,Diploid pattemを示したGrade 1.7例中2例,Grade 2.4例中2例,また,Non-diploid pattenを示したGrade 1.4例中1例,Grade 2.10例中4例,Grade 3.6例中4例に再発を認めたが,どれも両群に有意差は認めなかった。(結論)本測定法による癌細胞の核内DNA量の定量評価は,膀胱腫瘍の生物学的悪性度の新たな評価法となる可能性が示された。TCCG1,2において今回の検討では,ploidy pattenは明らかな予後因子となり得なかったが,今後,症例数を重ね検討する必要があると思われた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1996-08-20

膀胱腫瘍におけるイメージサイトメトリーによる核内DNA量測定

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