膀胱筋層切開による膀胱拡大術が有効であった神経因性膀胱の1例
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概要
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症例は41歳男性,二分脊椎症にともなう神経因性膀胱に対し,約10年前より間欠自己導尿を施行していたが尿失禁は消失せず,合併する左VURによる急性腎孟腎炎を繰り返していた。膀胱機能検査では最大膀胱容量200mlで60cmH_20 と低コンプライアンス膀胱の所見で,また左VURは10cmH_20の低圧で認められた。以上の所見より膀胱筋層切開術による膀胱拡張術を施行した。また左VURに対しては術術5ヵ月後に左尿管口周囲に内視鏡的コラーゲン注入を施行した。膀胱筋層切開術6ヵ月後の膀胱内圧測定では膀胱容量は300mlで18cmH_20とと低コンプライアンス膀胱は著明に改善し,左VURは完全に消失していた。残存する尿失禁に対しては内視鏡的尿道周囲コラーゲン注入を施行中である。尿失禁のみならず,多彩な臨床的問題を有する神経因性膀胱患者においては,従来の膀胱拡大術と比較して低侵襲である膀胱筋層切開術は有用な手術法と考えられた。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1996-04-20
著者
-
碓井 亞
広島大学医学部泌尿器科学教室
-
中本 貴久
中国・四国泌尿器科悪性腫瘍研究会
-
中本 貴久
広島大学医学部泌尿器科
-
嘉手納 一志
国立福山病院 泌尿器科
-
井上 勝己
宮崎大学医学部泌尿器科
-
薄井 昭博
広島県立リハビリテーションセンター泌尿器科
-
嘉手納 一志
広島大学医学部泌尿器科学教室
-
井上 勝己
宮崎大学医学部泌尿器科学
-
嘉手納 一志
国立福山病院泌尿器科
-
井上 勝己
広島大学医学部泌尿器科学教室
-
碓井 亞
広島大学医学部泌尿器科
-
薄井 昭博
広島大学医学部泌尿器科学教室
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