Stage D2前立腺癌新鮮例における内分泌療法と化学療法(Cisplatin,Methotrexate)併用の効果

概要

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(背景と目的)再燃前立腺癌の予後は不良である。stage D2前立腺癌新鮮例に対し,内分泌療法に化学療法を併用することに,再燃を防止し生命予後を改善する効果があるかどうかを検討した。(対象と方法)1984年2月から1992年3月までのstage D2前立腺癌新鮮例39症例を対象とした。内分泌療法のみの群と化学療法併用群に無作為に割り付け治療した。全例,去勢術を施行し,diethylstilbestrol diphosphateを300mg/day投与した。これは投与開始後2ないし3ヵ月で200mg/dayに減量した。化学療法は去勢術施行後1ないし2週で開始した。3週間を1コースとし,原則として3〜4コース施行した。第1日目にmethotrexate 40mg/M2,cisplatin 70mg/M2,第8日目にmethotrexate 40mg/M2を静脈内に投与した。1987年1月以後4週間を1コースとしmethotrexateを第1,第15日目に投与し,cisplatinを第2日目に投与した。(結果)化学療法併用群19例と併用しなかった群20例の間に,生存率,非再燃率に有意差を認めなかった。(結論)cisplatinとmethotreateを用いた化学療法には再燃防止効果があることは証明されなかった。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1996-04-20