カルシウム含有上部尿路結石症におけるカルシウム代謝に関する検討

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カルシウム (Ca) 含有尿路結石の成因を究明するため, Ca含有上部尿路結石症113例を対象にしてCa制限後, 経口Ca負荷試験を行った.尿中Ca排泄動態より, 正常Ca尿結石群 (NC群) 60例, 吸収性高Ca尿症1型 (AH-1群) 26例, 吸収性高Ca尿症2型 (AH-2群) 16例, 腎性高Ca尿症 (RH群) 11例に分類し, Ca代謝異常の病態を病型別に比較検討した.NC群は, Ca代謝に異常を思わせる所見はなかった.AH-1群では, NC群に比べ絶食時尿Ca排泄量が多く, Ca負荷後の増加率も大きく, 腎尿細管Ca再吸収率には両群に差がないことから, Caの腸管吸収亢進のためCaの糸球体濾過量が増大したことが高Ca尿症の原因と考えられた.また, AH-1群では尿中Ca, Na排泄量が有意な相関を示し, 高Ca尿症の一因として尿中Na排泄量の増加による影響は無視できないものと思われた.一方, RH群では, 血清イオン化Caおよび腎尿細管Ca再吸収率が他の群に比べ低値を示し, Caが腎より漏出し, 上皮小体機能は亢進している病態が示唆された.さらに, 尿中CaおよびNa排泄量の比がNC群, AH-1群に比べ高いことから, Ca漏出の原因が遠位尿細管の副甲状腺ホルモンに対する反応性の障害によるものと考えられた.Ca負荷前後の腎尿細管Pi再吸収閾値の変動は, 各群とも有意に上昇し, 副甲状腺ホルモンに対する近位尿細管の反応性に障害はないと考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1995-08-20

カルシウム含有上部尿路結石症におけるカルシウム代謝に関する検討

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