前立腺癌の腫瘍マーカー (前立腺酸性フォスファターゼ, 前立腺特異抗原, クレアチンキナーゼ BB) の精製と酵素免疫測定法

概要

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ヒト前立腺組織より前立腺酸性フォスファターゼ(PAP)、前立腺特異抗原(PA)、クレアチンキナーゼBB(CK-BB)を一括して精製した。SDSポリアクリルアミトゲル電気泳動法で分子量は50K、35K、40Kでそれらの抗体は免疫電気泳動上それぞれ単一の沈降線を認め、蛍光抗体間接法ではすべて前立腺上皮細胞質に局在した。フィブロネクチン(FN)を正常血漿より精製し抗体を作製、PAP、PA、CK-BB、FNの酵素免疫測定法(EIA)を確立した。CK-BBのEIAは前立腺のCK-MBと交叉反応を示した。前立腺癌ホルモン治療群や経尿道的前立腺切除後の血清でPAP、PAは正常にもかかわらずCK-BBは高値を示すことが多かった。前立腺癌患者血清中のPAP、PA、CK-BBは無相関であった。ホルモン化学療法有効例でCK-BBはほぼ正常化し、follow-up markerとして有用と考えられた。転移性前立腺癌血清のカラムクロマトグラフィーではPAPのRIA、solid phase immunoadsorbent assay(SPIA)、EIAは異なるprofileを示しRIAでは他が検出しない物質を測定しておりSPIAの高感度は抗体による活性の安定化が関与していることが示唆された。
社団法人日本泌尿器科学会の論文