ラット前立腺における3-hydroxy-3-methyglutaryl coenzyme A reductase 活性についての研究 (第2報)

概要

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ラット前立腺(ventral prostate)において,HMG・CoA・eductase活性の調節機序を解明する目的で,去勢早期の活性値の変化,インスリン投与時における変化,高コレステロール飼料投与時における変化について検討を加えた。去勢早期の変化では,3日後にはHMG・CoA reductase活性値の著明な低下がみられたが5日後には対照群と変らない値に復していた。これは前報においてテストステロン投与においては一過性の変化しかみられなかったことと同じ傾向であり,テストステロンはその値が変化する時にのみ前立腺でのコレステロール合成能に影響をおよぼすものと考えられた。インスリン投与においては,肝臓では他の報告と同じく2時問後にはHMG-CoA reductase活性値が投与前の約2倍に上昇していた。しかし前立腺においては上昇がみられず,インスリンは前立腺におけるコレステロール合成の調節ホルモンである可能性は小さいと考えられた。高コレステロール飼料(1%合有)投与においては,24時問後,2週間後ともに前立腺HMG-CoA reductase活性値の変化はみられず,肝臓と異なり外因性のコレステロールによるnegative feed backはうけないものと考えられた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文