キャピラリー電気泳動による尿中および血漿蓚酸測定
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概要
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(目的)尿中および血漿中の蓚酸測定は,蓚酸カルシウム結石患者の評価および治療に重要である。キャピラリー電気泳動による尿中および血漿蓚酸測定を確立し,腎蓚酸クリアランスの評価に応用した。さらに尿中の蓚酸およびクエン酸の同時測定を検討した。(方法)装置はWaters Quanta 4000Eを用いた。尿,血漿には各々内径75μmあるいは100μmのキャピラリーを用いた。尿は60mM塩酸で希釈し,血漿限外濾過液は300mM硼酸+50mMリン酸で酸性化および希釈した。(結果)尿中蓚酸測定の変動係数は2.7〜4.0%,クエン酸測定では1.3〜3.9%であった。蓚酸を0.2mM添加した場合の添加回収率は92.6〜107.4%,クエン酸を1.0mM添加した場合では91.2〜103.9%であった。血漿蓚酸測定では変動係数は5.8〜16.0%,添加回収率は87.8〜125.6%であった。腎の蓚酸クリアランスは6名の健常者では72.9±20.0ml/min,8名の結石患者では83.2±27.8ml/minであった。蓚酸とクレアチニンのクリアランス比は各々0.70±0.16,1.11±0.34であった。(結論)本法による尿中蓚酸およびクエン酸の同時測定は,精度,簡便性および経済性の点で実用性に優れ日常の測定に適していた。血漿蓚酸の測定は測定可能な感度が得られ,検体の低温化と酸性化が重要であった。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 2000-06-20
著者
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