赤外スペクトルによる結石成分分析を中心とした尿路結石症の臨床的検討

概要

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昭和57年4月より昭和59年3月までの2年間に当科および関連病院泌尿器科において得られた625患者由来の625個の尿路結石を対象として赤外分光分析を行い,特に尿路結石成分と臨床的項目との関連について検討した.蓚酸Caと燐酸Caの混合結石については,燐酸Caの比率が10%以下および10%を超える群に分けて比較検討した.1)尿路結石患者の男女比は2.74:1,上部尿路結石と下部尿路結石の比は6.8:1であった.2)蓚酸Caおよび尿酸結石が男性に,燐酸Caおよびstruvite結石は女性に多く認められた.3)結石成分別にみた患者の平均年齢はstruvite結石および尿酸結石で高かった.4)再発(多発)の頻度は,蓚酸Ca結石(25.7%)では低く,蓚酸Ca+燐酸Ca(≦10%)の混合結石,燐酸Caおよび尿酸結石(それぞれ40.4%,48.4%,41.1%)で高かった.自然排石率は,蓚酸Ca結石が最も高く(67.0%),struvite結石が最も低かった(10.0%).
社団法人日本泌尿器科学会の論文