カルシウム結石症の再発 : 特に術後再発について

概要

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1975年2月から7年10ヵ月間に診断・治療した307例の原因がはっきりしないカルシウム結石症を対象に、平均29.0ヵ月間の追跡調査を行なった。外来でのfollow-upが中止されていたものも含めて、入院歴のある279人に対してはアンケートを送付し、115人(41.2%)から回答があった。結石の再発は51人(51/307、16.6%)に見られた。このうち18人はアンケート調査で初めて再発が明らかにされた。手術は165症例に対して181回行なわれた。残石率は7.0%であった。術後の再発は24.3%(44/181)に見られた。手術を行なわなかった症例のうち、自然排石を確認した後で再発を見たのは5.3%(7/132)にすぎず、カルシウム結石の再発は結石手術を受けた患者の方に多いという結果であった(p<0.005)。又、患者を術後再発群と術後非再発群に分けて、高カルシウム尿症(4mg/kgBW/day以上)と来院時に採取したspot尿のカルシウム・クレアチニン濃度比が0.2以上である頻度を調べたところ、いずれも術後再発群の方に多いことが判明した(p<0.01)。以上の結果に基づき、結石患者の長期にわたるfollow-upと再発の予防策に関して我々の見解を述べた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1984-08-20