大学生は児童の作文をどのように評価するのか?
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概要
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教員養成課程の学生29名を対象に,1年生から6年生までの児童が書いた生活文を,現行の学習指導要領(1989)を反映させた18の分析的評価項目と2つの総合評価項目とで評定させた.評定結果をもとに,分析的評価項目の妥当性の検討を,(1)作文の直感的よしあしを識別できること,(2)評定者間で評定結果が一致する傾向が強いこと,(3)総合評価項目と関係が強いこと,の3基準で行い,さらに各項目の信頼性係数を求めた(目的1).また,項目の妥当性・信頼性の結果をもとに,作文に対する好意度別に評価の特徴を明らかにした(目的2).その結果,中学年で,妥当性・信頼性の低い項目が多数検出されたことに加え,好意度高群では,それぞれのもつ児童観が評価に反映されやすく評定結果が一致しにくいこと,一方低群は,項目に忠実に評価を行い評定結果が一致する傾向が強いことが示された.これらのことから,中学年の生活文評価は難しく,好意度はその難しさを引き起こす一因であることが示唆された.
- 日本教育工学会の論文
- 2002-06-20
著者
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