幌満カンラン岩体の層状構造の成因
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概要
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幌満カンラン岩体では顕著な層状構造が発達している。その層状構造には, 対称性, 非対称性, スケール不変性という特徴がある。特に, アポイ岳の北尾根と坊主山の西尾根にあるガブロ層の配列パターンに, 対称性と非対称性が明瞭に認められる。こうした特徴を持つ層状構造は, 変形による引き延ばしと折り畳みの結果作られたものであることが, 簡単なモデルを用いて示される。そのモデルから, 層の厚さの積算分布関数の傾きは, 変形の程度(歪み速度)の空間的不均一さの強さの程度を表していることがわかった。Takazawa (1990)によって得られている幌満カンラン岩体のガブロの層厚分布にモデルの結果を応用すると, 斜長石カンラン岩とガブロの互層領域では変形の最も大きかったところと少なかったところで7倍, ダナイト・ハルツバージャイトとガブロの互層領域では24倍の歪み速度の不均一があったことがわかった。
- 日本地質学会の論文
- 1997-04-24
著者
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