斜長石累帯構造が示すマグマ溜まりの分化過程
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Relationships between whole rock composition of magma and plagioclase zoning were investigated on volcanic rocks from the Shirahama Group, Izu Peninsula, Japan, which have the various chemical compositions of tholeiitic series produced only by crystallization differentiation. The plagioclase zoning can be divided into the following three zoned regions, (1) oscillatory-zoned, (2) patchy-zoned, and (3) unzoned regions, based on Anderson(1984)'s classification. We described the flatness of zones and the spatial distribution of zoned regions from core to rim of the phenocrysts, and found the relations between the characteristics of plagioclase zoning and the whole rock compositions. As the whole rock SiO_2 increases, (1) the number of resorption zones, defined as zones with resorbed track, increases; (2) the frequency of plagioclase with patchy-zoned region decreases; (3) the frequency of plagioclase with the patchy-zoned region in central parts of crystals increases; (4) the diversity in the zoning pattern becomes smaller. In basalts, various zoning patterns can be observed whereas in dacite, oscillatory zoned regions are dominant. Our observation can be explained by a simple model involving the homogenization processes of heterogeneity in a magma chamber, associating with the crystal growth or dissolution processes. According to the model and the observations of natural plagioclase zoning, we can give a constraint on the characteristics of homogenization process developed in an evolving magma chamber: parameters of the characteristics φ, the volume ratio of relatively differentiated part in the magma to homogenize and r. chemical contrast of the magma. At the initial stage (basalt magma), the homogenization process with large φand large γ is dominant. At the later stage (dacite magma), the homogenization process with largeφ or smallγ is dominant.
- 特定非営利活動法人日本火山学会の論文
- 2004-10-29
著者
-
寅丸 敦志
九州大・理院
-
寅丸 敦志
九州大学理学研究院地球惑星科学部門
-
津根 明
桜島ミュージアム
-
寅丸 敦志
金沢大学大学院白然科学研究科:(現)九州大学大学院理学府地球惑星科学
-
津根 明
金沢大学大学院白然科学研究科
-
津根 明
金沢大学大学院白然科学研究科:(現)九州大学大学院理学府地球惑星科学
関連論文
- 北海道幌満縞状カンラン岩体に見られる苦鉄質岩の化学的性質と成因
- P03 長崎県平戸島における縞構造の発達した岩脈について : 石基組織の解析および縞構造形成モデルの提案(ポスターセッション,日本火山学会2007年秋季大会)
- P59 長崎県平戸島の岩脈に見られる縞構造について : 縞構造を形成する気泡・斑晶・石基の組織解析(ポスターセッション,日本火山学会2006年秋季大会)
- P64 封圧下における雲仙火道掘削コアの浸透率・弾性波速度同時測定(ポスターセッション,日本火山学会2006年秋季大会)
- P44 雲仙平成火道試料におけるマグマの脱ガス・結晶化過程(日本火山学会2005年秋季大会)
- P54 雲仙科学掘削によるコアの記載と解釈 : 火道域の内部構造
- P64 火山熱流体シミュレーションと環境影響予測手法の開発 : VTFS (I) : (1) プロジェクトの概要
- P36 桜島における2008年2月に発生した噴火の降灰分布について(ポスターセッション,日本火山学会2008年秋季大会)
- A57 Fragmentaion 直下における poiseuille flow 領域の存在 : 神津島天上山噴火の例
- マグマの発泡とその伝播
- EPMAを用いたガラスの微小領域分析時のNa損失に対する補正について
- P26 溶岩ドーム噴火におけるマグマの脱ガス・結晶化作用 : 神津島天上山噴火の例
- リーゼガングバンドに及ぼす電場の影響
- 小屋口剛博著, 「火山現象のモデリング」, 東京大学出版会, ISBN978-4-13-060750-6
- P43 マグマプラグ内流体の状態 : 桜島ブルカノ式噴火前の増圧における重要性(ポスターセッション,日本火山学会2008年秋季大会)
- C04 減圧するマグマにおける膨張する気泡の暴走合体(マグマの発生と噴火のダイナミクス,日本火山学会2007年秋季大会)
- B01 桜島ブルカノ式噴火火山灰の岩石組織と空振強度の関係(噴火のダイナミクスと火山構造,日本火山学会2006年秋季大会)
- B43 気泡数密度減圧速度計の提案
- A28 マイクロライト減圧速度計の提案 : 伊豆大島 1986 年 B 噴火への応用
- A50 富士宝永噴火の火砕物の組織解析
- B51 流紋岩の構造・組織と縞状構造形成過程 : 福井県雄島流紋岩の場合
- P09 材木状軽石中に含まれる伸長した気泡のアスペクト比分布
- A43 樹枝状磁鉄鉱の側枝間隔から見たマグマの冷却過程
- 8) 相変化を伴う流れの性質
- 6. かんらん岩の変形と層状構造の成因
- A35 気泡核形成に及ぼすマグマの粘性の影響
- 軽石を使って噴火のダイナミックスを定量化する
- B21-08 マグマの冷却に伴う結晶の核形成・成長過程
- 斜長石累帯構造が示すマグマ溜まりの分化過程
- PB02 斜長石累帯構造の多様性とその成因
- B16 天然の記載から推定する斜長石波状累帯構造の成因
- B24 斜長石の波状累帯構造とマグマの分化 : 伊豆大島白浜層群の火山噴出物を例として
- 「バイオマット : 身近な微生物が作る生体鉱物」について
- 周期的沈殿から樹枝状結晶集合体への遷移について
- 幌満カンラン岩体の層状構造の成因
- 1990年マインツ国際火山学会議
- 噴火の熱力学と流体力学 : 噴火機構を理解するための道具(第2部 マグマ溜りと噴火)
- マグマの発泡とグローバル火山学(火山噴火予知研究シンポジウム)
- マグマの輸送過程(I) : 部分溶融相の形態 : 日本火山学会1983年度秋季大会
- A02 桜島火山における野外博物館活動(火山防災と教育,日本火山学会2008年秋季大会)
- P03 マグマ溜りの脱ガスに関するアナログ実験(ポスターセッション)
- 2-A11 アナログ実験による間欠泉の噴出量の予測可能性(火山振動,口頭発表)
- 2-A12 微動方程式を用いた間欠泉実験の前駆振動の解釈(火山振動,口頭発表)
- A25 貫入岩におけるCyclic Layeringの特徴と発達条件(マグマの流動メカニズム,口頭発表)
- ハンス-ウルリッヒシュミンケ著, 隅田まり・西村裕一訳, 「火山学」, 2010年10月20日発行, A4判, ハードカバー, 354頁, 本体価格18000円+税, ISBN978-4-7722-3133-6, 古今書院
- A26 斜長石にみられる斜交した溶解表面の記載とその成因(火山の岩石学(1),日本火山学会2006年秋季大会)
- P74 アナログ実験による柱状節理の形成過程の再現 : entablatureの再現を試みる(ポスターセッション)
- A2-10 新燃岳2011年噴火噴出物から推定されるマグマ混合・混交過程(新燃岳2011年噴火と南九州の火山,口頭発表)
- B3-11 実験間欠泉における噴出様式と噴出量の数理モデル(火山の流体振動,口頭発表)
- 桜島火山における楕円近似による火山灰堆積量の推定法について(桜島火山)