西南日本前弧域及び瀬戸内区のネオテクトニクス
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概要
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西南日本前弧域は逆L字形の隆起帯とその北西側の前弧海盆を一揃いとする5つの地質構造単元に区分される。同単元は南海トラフ沿いの巨大地震の震源領域に対応し, その地質構造の特徴は巨大地震に伴う地殻変動の特徴と一致する。このことから, 地質構造単元は巨大地震時の地殻変動が累積して形成されてきたと考えられる。第二瀬戸内海はNE-SW方向の長軸をもつ3つの右雁行沈降盆地から構成され, 現在の瀬戸内海と同様にMTLを南縁とする右横ずれ剪断帯として捉えられる。この考え方では, 従来の知多変動はMTL活動期の右横ずれ剪断テクトニクスに, また, 六甲変動はMTLの活動衰退・停止期における瀬戸内区南部の前弧側への組入れに起因する衝突型テクトニクスに対応する。地質構造単元の形成及びMTLの右横ずれ運動は, フィリピン海プレートの右斜め沈み込みの開始に伴って4〜5 Maに東部地域で始まり, 時代と共に西へ拡大していったと考えられる。
- 1992-12-15
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