中海・宍道湖周辺地域における過去2000年間の花粉分帯と植生変化
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概要
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中海・宍道湖周辺地域の過去約2400年の最上部完新統はイネ科花粉帯に属する。この花粉帯は次の4亜帯に細分される。スギ亜帯:約2400年前〜西暦約700年。この亜帯は高率のスギ属とイネ科で特徴づけられ, 湖周辺の低地にはスギ林がひろがっていた, 水田の開発はこの亜帯の初めに始まった。カシ・シイ亜帯:西暦約700年〜約1500年。この亜帯の初めにスギ属花粉は低率となる。イネ科とカシ類・ナラ類などの広葉樹の花粉は高率である。開発は更に進み, 水田は低地の大部分を被ったが, 丘陵地では照葉樹林が繁茂していた。マツ亜帯:西暦約1500年〜約1930年。この亜帯は二葉マツ類著しい高率で特徴づけられる。人為的な影響により, 照葉樹林は急速にアカマツの二次林に変わっていった。マツ・スギ亜帯:西暦約1930年以後。この亜帯はスギ属の増加で特徴づけられる。いたるところでスギが植林された。
- 日本地質学会の論文
- 1993-03-29
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