火山活動と堆積作用からみた鳥取地域の前期中新世末〜中期中新世古地理
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概要
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鳥取地域の前期中新世末〜中期中新世火山活動, 堆積作用および古地理は次のようにまとめられる。小田安山岩層は模式地付近を中心に水中噴出した溶岩から構成され, 荒金火砕岩層は分布域北西方の噴火口より発生した大規模な水中火砕流からなる。これらの火山活動は, 比較的深い海域で起こった。円通寺礫岩砂岩層, 諸鹿礫岩層の平均礫径や礫組成の変化は, それらが南西〜南方の基盤から由来したことを表している。円通寺礫岩砂岩層は湖沼域から海域へ供給された扇状地性〜ファンデルタ性堆積物で, 諸鹿礫岩層は汽水〜浅海環境で堆積した。駟馳山砂岩泥岩層の砂岩は主として花崗岩からなる北方基盤から, 普含寺泥岩層の砂岩は多様な地質構成をもつ南方基盤から由来した。前期中新世末〜中期中新世の鳥取地域とその周辺には, 駟馳山砂岩泥岩層の源岩となった隆起帯と, 円通寺礫岩砂岩層, 諸鹿礫岩層と, 普含寺泥岩層の砂岩を供給した隆起帯が存在した。
- 日本地質学会の論文
- 1992-03-15
著者
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