歯科環境における粉じんの特性 : 石こう粉じんの粒度分布について
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概要
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粉じんの問題は労働衛生の現場では非常に古くからの重要なテーマの一つである.1980年には作業環境における粉じん濃度の基準等について従来の考え方を一変させる勧告が日本産業衛生学会, ACGIH等から相次いでなされた.また1979年に発足した日本歯科医師会の学術研究事業の最初のテーマに「診療室および技工室等の環境管理に関する研究」が採択され, 粉じんの問題も第3のサブテーマの中に加えられている.著者らはこれらの勧告等を機会に歯科環境における粉じんの問題の基礎的研究を進めている.その最初のテーマとして各種の材料, 研磨工具等から発生する粉じんの基礎的特性としての粒度分布を検討することにし, これに荷重, エンジンの回転数などの条件を加えて実験を行なった.本報での実験に用いた材料は普通石こう, 硬石こうおよび超硬石こうの3種類である.また使用した研磨工具はスタンプバー, タフロンポイント, サンドカップ(荒)およびサンドカップ(細)である.これらについて荷重, 回転数などの条件を加え, 発生する粉じんの粒度分布等を検討し, 次のような結論を得た.1) 粉じんの粒度分布に最も大きな影響を及ぼすのは研磨工具の特性であった.2) 材質は硬い程分布が一定となり, かつ粒径の小さい, いわゆる吸入性粉じんの分布を大きくし, 軟質材料では分布のバラツキが大であった.3) 回転数は高い程, 荷重は軽い程吸入性粉じんの比を大きくしたが, ここでは同一材料及び工具ではこれらの条件がある値を越えると分布は一定の傾向を示すようになるのではないかと推察された.4) 概略の吸入性粉じんと総粉じんの比は普通石こうは1 : 2.5∿10, 硬石こうは1 : 2.5∿7, 超硬石こうでは1 : 2∿8であった.
- 九州歯科学会の論文
- 1982-12-25
著者
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